過剰診療とは、診療行為の医学的必要性ないしは合理性が否定される治療をいいます。
健康保険法に基づく保険診療にあっては、医療機関が法および「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(以下「保健医療担当規則」という)に適合する診療行為を行った場合に診療報酬債権が発生するのであって、診療の内容について法および保健医療担当規則に基づく諸制約が存在します。
これに対して、公的健康保険(健康保険証)を使わないで治療を受け、すべての治療費を自己負担する自由診療においては、医療関係法令を遵守すべきほかには、診療行為を行う上で特段の制約は存在しません。
交通事故においては、自賠責保険による支払いがされることもあって、自由診療による治療が行われることが多く、そのため過剰診療として治療費の必要性が争われることがあります。
基本的には、医師の診療行為は、医療水準に照らして必要かつ適切である必要はありますが、専門的な知識と経験に基づき、個々の患者の個体差を考慮しつつ、刻々と変化する病状に応じて行われるものですから、医療行為の萎縮を生じさせないためには臨床現場における医師の個別的判断を尊重し、一定の裁量を認める必要があります。
したがって「診療当時の患者の具体的な状況に基づいて客観的に判断して、適応を有する病状も存在しないのにこれを存在するとして治療するなど当該治療行為が合理性を欠く診断に基づいてなされたものであるとき、あるいは当該治療ないし検査行為が、これを支持する見解が存在しないばかりでなく、独自の先進的療法としてもこれを肯認する余地もなく明らかに合理性を欠くときなど、当該診療行為が医師の有する裁量の範囲を超えたものと認められる場合に限り、必要適切なものとはいえない過剰な診療行為とすべきである」(東京地判
平元・3・14判時130121・判夕691‐ 51)23)24)とされています
高額診療とは、診療行為に対する報酬額が、特段の事由がないにも拘わらず、社会一般の診療費水準に比して著しく高額な場合をいいます。
自由診療における診療報酬単価が、特段の事由がないにもかかわらず、社会一般の診療費水準に比して著しく高額な場合には、高額診療として相当因果関係が否定されます。
基本的には、自由診療契約における相当な診療報酬額は、健康保険法の診療報酬体系を一応の基準としつつ、交通事故という突発的に発生し、かつ非常に緊急であり総合的な治療が必要な場面であること、高額診療は被害者の問題というより加害者と病院の問題である点を考慮して検討されるべき問題です。
前記東京地裁平成元年3月14日判決は、自由診療単価を合意していないときに、診療報酬単価を1点20円~30円とする診療報酬額の妥当性について、1点10円を相当とする旨を判示しています(そのため、同判決は10円判決と呼ばれます)。
もっとも、そのほかの裁判例では1点20円~25円くらいまでを認めていることから、裁判例の傾向としては1点20円前後までを損害として認めていると評価することもできます。
これは、被害者が1点20円前後を超える自由診療報酬を負担しているときには、後に訴訟等において20円を超える部分が高額診療として損害と認められず、その部分が自己負担となってしまうリスクがあることを意味しています。
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